男性育休取得後の大きな悩み「職場復帰」
男性育休はまだかなりの少数派。前例が少なくどんな不安があるのかすらわからない…
復帰までに準備は何をどうしたらよいのか…
そして、実際に育休終了後の職場復帰はどんなものなのか…
イメージがわかず不安が増すばかり。
だから、男性育休取得者のリアルな職場復帰の「不安」「準備」「復帰後の日々」について知ることで、不安を少しでも解消してほしい。
実際に男性育休1年取得後、職場復帰に多くの不安を抱えていました。また、前例のない中、もがきながら準備してからの職場復帰4ヵ月。ここでは、僕の経験をもとにリアルな育休からの職場復帰をお伝えできたらと思っています。
・職場復帰までの3つの準備・4つの考え方
・職場復帰から4ヵ月を振り返って4つの気づき
男性育休はまだ少数派の選択。同時に育休復帰も前例が少なく不安も多いはず。そんなあなたの不安が少しでも減り、前向きになれる記事なっていたら嬉しいです。
育休終了の不安7選
「人生最幸」
1年の育休の日々を、控えめに言って僕はこう答えます。
ただその分、充実した日常が終わる不安は計り知れませんでした。
「育休から復帰するパパママは、同じように数多くの不安を抱え復帰している。」
自分が当事者となり始めて知りました。心から尊敬いたします。
僕の不安を言語化し、可視化することで自分の頭を整理できます。
また、何より同じ不安を抱えた方に「自分だけじゃない」と共感していただき、少しでも不安を取り除いていただきたいです。
僕の抱えていた1年育休終了の不安を7つにまとめました👇
1,生活リズムの変化
2,家族を犠牲にする働き方
3,娘の成長を見る機会の減少
4,理想と現実のギャップ
5,仕事と家庭の両立
6,批判される恐怖
7,価値観の変化
詳しくは👇
1,生活リズムの変化
家族優先の生活から、仕事優先の生活になることの不安が大きかったです。
育休中は1日全部が家族のために使える時間。
復帰後は仕事優先で、家族の時間は確実になくなります。
また、1日の過ごし方のすべてを自分で決断していた育休。
何をするのか大半が決まった中で過ごす仕事。
双方にも大きな違いがあり、リズムが大きく変わることに対応できるのか不安でした。
2,家族を犠牲にする働き方
育休取得前、残業100時間以上、土曜も部活があるため、ほぼ家にいない夫。
まさに家族を犠牲にする働き方でした。
育休取得することで、改めて「家族の大切さ」「家族との時間の幸福」を実感。
復帰後の働き方については「定時帰宅実践」「持ち帰り仕事削減」など改善が急務。
理想はあれど、仕組みが崩れている中学校教師を家族の犠牲を払わずできるのか…
今のままでは無理。学び続け準備しないと…
現在転職活動をしているのは、家族の犠牲を減らせる職業につきたい!と感じているからです。
本当にかなり悩みました。
3,娘の成長を見る機会の減少
育休中は「寝返り」「ハイハイ」「タッチ」ほぼすべての娘の「初!」をリアルタイムで目撃してきました。
仕事復帰後、娘の成長をリアルタイムでなく、事後報告されることが嫌です…
仕方ないことですが、1日の大半が仕事になるため娘の成長を見る機会は圧倒的に減ります。
育休中は成長の機会を夫婦でリアルタイムに共有、感動してきました。
ギャップに苦しむだろう…と不安でした。
4,理想と現実のギャップ
育休の日々が人生最幸。まさに理想の生活。
仕事復帰後、理想の日々のイメージとは大きくかけ離れます。
家族を犠牲にする働き方を強いられ、大切な家族との時間が削られる現実。
そんなギャップに悩み苦しみ、イラ立ちを覚えることは確実。
復帰前がそうだったので、どれだけ負の感情を抱えないか準備が必要。
大きな不安材料でした。
5,仕事と家庭の両立
1年間仕事をしていないため、うまく教員が務まるのか不安…
また、教師の激務をこなしながらも、家庭のこともできるのか?
1つ1つやり切るだけでも大変なのに、仕事と家庭の両立なんて可能なのか?
など多くの不安を抱えていました。
育休復帰前の自分の仕事量と質、育休中の家庭での貢献。両方ともとりたい。
だけど、すべてを今までと同じようにやるには時間が足りない。
どうしても、何かを削ることが必要。それのほとんど家庭の部分。
ある程度仕方ない。でも、育休の日々を知ってしまったからこそ、家庭をおろそかにする選択に納得できない。
頭の中がぐちゃぐちゃでした。
6,批判される恐怖
1年男性育休を取得した僕を批判的に見る人がいるかもしれない。
この恐怖は男性育休「取得前」「取得中」「取得後」すべてにつきまとう。
少数派であり、社会の価値観が「男性は仕事」など理解されにくい立場である現実。
職場の全員が理解してくれることは極めて難しい。
だから、常に批判されても動じない!という覚悟を持ち日々過ごすしかない。
漠然とした不安が付きまとっていました。
7,価値観の変化
育休で「仕事優先」から「家族優先」に大きく価値観が変わった。
「自己犠牲」と「家庭を犠牲」にするしか成り立たない中学校教員を続けていけるのか?
そんな働き方に自分は納得するのか?家族も幸せなのか?など
「犠牲」にしてまでやる仕事なのか?と毎日自問自答しそう…
現在、転職活動をしている大きな理由の一つでもあります。
多かれ少なかれ育休取得後に価値観が変化する方が大半だと思うので、同じ悩みを持つ方は多いと思う。
振り返ると、育休が終わることが本当に不安でした…
職場復帰までの3つの準備・4つの考え方
以上のように、育休終了の7つの不安がありました。
多くの不安を解消するため、準備をする必要がありました。
だからこそ、夫婦で何度も職場復帰について話し合いました。
そして、育休を終えるまでに3つの準備・4つの考え方を整えました。
職場復帰までの3つの準備
2,【疑似体験】職場復帰後の1日を体験
3,【会話】とにかく夫婦で議論
1,【読書】仕事の効率化の本を読み漁る
「少ない時間で質高く」を実現し、定時で帰宅したい!
家族の時間を守るための行動をしないと自分が納得できない。
そのために「仕事効率化」の本を読み漁りました!!
読書で考え方と時短テクニックをアップデート。
個人での働き方改革を実践。
復帰後、おおむね定時で帰れています。読書した成果は絶大!
2,【疑似体験】職場復帰後の1日を体験
育休復帰前、仕事復帰後を想定した1日を過ごしてみた。
7:15 出発
帰宅 18:00
お風呂→晩御飯→寝かしつけ
おおまかな復帰後の1日を疑似体験。
娘に半日会えない違和感にビックリ。
妻はワンオペが楽勝だったよう。少し寂しい。笑
実際に1日を体験する効果は大きい。なぜならイメージがわくから。
3,【会話】とにかく夫婦で議論
不安は抱え込まず、何度も夫婦で話し合いました。
1年間育休を取得し、毎日家族と一緒。すべて家族のために使える時間でした。
職場に復帰すると、家族の時間は大幅に減り、妻の家事育児の負担は確実に増加。
僕は仕事と家庭を両立したい。(多くの時間を使うしかない職種…)
復帰後、一旦は仕事を優先。慣れてきたら家庭のことも考える。さらに慣れたら両立。
段階的に頑張っていこう!と何度も話し合いました。
そして、夫婦で話し合ってたどり着いた4つの考え方👇をまとめました。
できる準備はしたつもりですが、不安は大きく何度も夫婦で話しました。
職場復帰までの4つの考え方
2,【家庭も】職場復帰後2ヵ月目
3,【両立】職場復帰後3ヵ月目
4,【デッドライン】仕事・ワンオペの限界の基準決め
1,【慣れる】職場復帰後1ヵ月目
復帰後最初の1ヵ月 テーマは「慣れる」
僕は仕事優先でまず仕事に慣れる。妻も一人での家事育児に慣れる。
育休 → 職場復帰、ワンオペ
あまりに大きな環境変化。
2人とも、そして娘も慣れることが目標の1ヶ月に。
2,【家庭も】職場復帰後2ヵ月目
職場復帰後1ヶ月すれば慣れるはず。
次のステップは家庭の割合を増やすこと。
仕事に慣れるまでは、妻に家事育児の大半をお任せするが、慣れてからは家庭でできることの範囲を広げていく。
特に仕事前の朝と、帰宅後の夕方しか時間がない。
朝の洗濯たたみ、皿戻し、娘の食事の準備
夕方の洗濯、皿洗い、夕食の調理など
できることを増やし妻の負担を減らすことに注力。
そんな復帰後の2ヵ月目したい
3,【両立】職場復帰後3ヵ月
仕事にも慣れ、家庭での割合を増やしてきた。
次のステップは仕事を効率化し、家庭と仕事の両立を目指す。
仕事では「少ない時間で質高く」を意識。
やらないことを明確に決めた。(毎日の日記、電話、平日の部活動など)
やると決めたことは、簡略化するが効果最大を目指す。
できる限り定時退校を意識。
うまれた家庭の時間も有効活用。
まさに、家庭と仕事の両立を夫婦で目指す。
一番は、仕事の充実感を得てキラキラしたパパで帰宅すること。
4,【デッドライン】仕事・ワンオペの限界の基準決め
こうなったら仕事・ワンオペやめよう!を決めた👇
仕事:日常があまりにも仕事に圧迫され、心身が疲れ果ててしまったら辞める
ワンオペ:疲労とストレスがたまり、娘を怒鳴ってばかりになる、または手が出てしまうようになる場合辞める
辞めるラインを決めることで、共通理解の上で「逃げ道」が作られます。
ダメだったら辞めていい!が決まっているだけで心が楽になったのを覚えています。
パパとママが元気なのが1番でちゅ。
2022年6月 「男性育期長期取得への道」~イクダン先生が教える!男性育休不安解消クラス~
書籍を出版いたしました!!
「男性育休が気楽にとれる世の中に」するために一歩前進しました。
1歳の娘も読んでくれています!(笑)👇
職場復帰から4ヵ月を振り返って4つの気づき
1,生活リズムの変化に苦労(復帰後1~2ヶ月)
育休中は1日が全て家族と過ごす時間。復帰後は仕事が7割、家庭が3割ぐらいの時間配分…
あまりに大きな生活リズムの変化。
また、育休中は1日の過ごし方やスケジュールを、すべて自分たちで自由に決めていました。
最初のうちは、自由すぎて苦労していましたが、だんだんルーティン化され安定した毎日を送っていました。
職場復帰をすると、大半が決められたスケジュールの中で、どう賢く過ごすかに変わります。
社会人にとって当たり前のことですが、ギャップがあまりに大きく慣れるまで大変でした…
2,職場の大きな変化に戸惑う(復帰後1~2ヶ月)
生活リズムの変化と共に、僕が大きく戸惑ったこと。
職場の急なIT化。
アナログで有名な学校現場が僕の休んでいる1年で急なIT化。
今までやってきた流れが使えず、大きく戸惑いました。が、慣れると便利さが勝ります。
大幅な同僚の転勤。
毎年10人近く転勤するので、ほとんどの同僚が転勤して、ほぼ初対面のチームでスタート。
はじめは動揺しましたが、新しい人間関係も楽しくなってきました。
そして、1番の戸惑い
「前校長が、僕が育休取得したことを現校長に引き継いでいなかったこと…」
最初、現校長先生にあいさつに行ったとき、育休取得していたことを話すと
「そうなんですね!!」に僕もビックリ。
そんなことも引き継がれないのか…
これが男性育休の現状なのだろうと理解。
本当に戸惑いの多い復帰後でした。
3,仕事と家庭の両立に疲弊(復帰後3~4ヵ月)
復帰から3ヵ月経過したころ。
家族の時間を確保するため朝活で準備
無理に定時に帰る(持ち帰り仕事たっぷり)
ムリヤリ準備して手に入れる自由な日曜日(家族と自由に過ごせる時間がない)
唯一休める日曜日も1日も休まず、プール、お出かけ、公園、家族と楽しむ。
そんな日々の繰り返し。
無理に無理を重ねていた…
そんなある日、疲れがたまりすぎて免疫が弱っていることにも気づけず
食あたりに…
2日間嘔吐下痢の連続で寝込むことに。
そして、ふとんの中でハッとした。
「僕は全然休んでなかった…」
仕事と家庭の両立も大切だけど、自分の身体も大切。
教えてくれてありがとう食あたり。(笑)
4,育休復帰後の成果と自信(仕事と家庭の二刀流)
新しい仕組み、メンバーに慣れるまでは時間かかった。
慣れたら育休中の自己研鑽と家事育児でのマルチタスクの経験が圧倒的に活きる。
明らかに仕事が効率よく質高くなっていることを実感。
「少ない時間で質高く」を実践できている。
約半分近くほぼ定時退校の偉業達成(中学校教員ならわかってくれるはず…)
子どもができたこと、子育てを1年間本気で取り組めた経験がすべてプラスに働いている。
保護者への共感、他社理解 生徒への向き合い方 声のかけ方など
我が子だったら!という新しくリアルな視点を手に入れた。
頑張りすぎて体調を崩したこともあったけど…
それもよき思い出、大きな学び。
仕事も家族も大切にできている充実感と自信はとてつもない。
キラキラしたパパでいられている!
まさに、仕事と家庭の二刀流。
育休取得が人生の大きな糧となり、プラスの影響を与えてくれている。
やっぱり男性育休を取得してよかった。
育休取得の経験が人生を豊かにしてくれています。
『男性育休が気楽にとれる世の中に』
するために情報発信しています‼️
ただ、個別に質問や相談できる環境があれば
男性育休の孤独を感じる人が減ると思い、
【公式ライン】はじめました😁
(育休取得前の孤独で辛かった自分に向けて作りました💦)
気になることが有れば
何でも聞いてください‼️
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